人に生まれるは難し
この世の迷いと悟りの全世界を十種に分けたものが「十界」であり、それは「地獄界」「餓鬼界」「畜生界」「修羅界」「人間界」「天上界」「声聞界」「円覚界」「菩薩界」「仏界」です。
人は死後この中の六道、「地獄界」から「天上界」までを輪廻すると言われています。
この六道は迷いの世界で、心はいつも移ろいやすく、怒り、悲哀、苦しみ、混乱の風が吹き荒れています。
ほんのひと時幸福であっても、すぐ次の心配事や哀しみがやって来るのはそのためでしょう。
一日のうちでも、自分をコントロールすることも難しい様な事柄に出会い、この十界を行き来するような、感情もかき乱される心の在りようが生じます。
人の心の中にこそ、この十界が存在していて、それは十本の指を十界に見立てて合掌しながら、やがて仏界の境地を目指すように願うためかもしれません。
魂のステージを上げることの意味が、このことのためにあります。
魂のステージが低いときは、心が地獄界や畜生界や修羅界の中にあり、自分でも歯止めが利かなくなり、他人への意地悪や犯罪に繋がったりもします。
他人への意地悪や殺人のような犯罪などは、他人を傷つけているのですが、それよりももっと多く自分自身を傷つけているのです。
人は他人を殴っているとき、実は己の魂を殴っているのです。
人に意地悪をするとき、実は己の魂に泥を塗っているのです。
そのような心の在り様に、平穏はありません。
魂のステージを上げる努力をして行くと、いつの日か心が仏の光に照らされて、己も他も幸福になることが出来るはずなのです。
人は生まれ変わり死に変わり、六道を輪廻すると言われています。
その中でも人間界以上に生まれることは、非常に難しいと言われています。
人には菩提心、つまり悟りの心を持つ可能性があり、仏の世界を理解する可能性に満ちています。
人間に生まれたことに感謝して生きて行くことは、おのずと正しい道を求める心を養います。
その心の中に慈悲や愛が溢れるような可能性が生まれ、そのような人々が住む世界は、住み易く心温まる場所となるでしょう。
しかし正しく生きようとすることを放棄することは、恐ろしい未来が待っている可能性があります。
その人生が終わった後、何界に生まれるのか分からないからです。
例えば畜生界に生まれたら、棒で叩かれたり狩られて食卓に上がったりすることがあり、大変な世界です。
せっかく人間に生まれたなら、感謝を忘れず心を磨いて生きて行きたいと、思う方も多いかと思います。
それならば私たちの未来は明るいと思います。
そんな人々はきっと自分も他も幸せにできるはずであり、心を磨くことの意味を深く知ることでしょう。
画像は近所の冬景色です。
今日のフィーリングは、中島みゆきさんの「命の別名」かな