今日は小さな旅行記です
高速道路を走っていると、急に海に向かいたくなり、自分で運転して久慈より先に行ったことがなかったこともあり、とうとう岩手県宮古市まで行ってしまいました。
そこで子供のころ家族で行った、「浄土ヶ浜 じょうどがはま」にまた行ってみたくなり、いくつものトンネルを越えて、ついにたどり着きました。
子供の頃見た、全てが白いイメージでこの世のものでないような、神秘的な風景を思い出しました。
海岸を歩いて白い砂浜に着くと、奥の方に大きな慰霊碑があったようで、「ここは大変だったのだろう」と心の中で黙祷しました。
「青の洞窟」と呼ばれる美しい場所へ向かう、小さな船たちが海岸に繋がれている中で、何人かの家族連れが船に乗って出て行きました。
私は残念ながら時間の関係で、それは叶わなかったのですが、マリンハウスで「青の洞窟」をイメージした、ソフトクリームを食べました。
白いクリームの上に、螺旋状に鮮やかな青色が巻いていて、とてもきれいです。
その時左側に、貝を繋げたかなり大きな吊るし飾りがあったのを見て、とても驚きました。
それは私が生まれた、大船渡市の綾里(りょうり)を訪れたとき、大船渡市の海岸にあった「貝のミュージアム」で買ったものと同じでした。
あまりに素敵なので自分の寝室に吊り下げていましたが、それがあの3月11日を迎えたばかりの夜中に、寝ている私のお腹あたりに、天井のネジが外れてそれが落ちてきました。
驚いて飛び起きて、なぜか時間を見ると午前2時45分でした。
それから12時間後、あの震災が起こりました。
何ヶ月もしてから思い出したとき、「あの貝のミュージアムはもうないのだな」と察しました。
長い間悲しくて海に行く気がしませんでしたが、あれから10年以上経ってから、初めて行ってみようと思うようになりました。
私が生まれて間もなくチリ地震の大津波があり、綾里は大変な事になったようです。
父の仕事の関係でその数日前、盛岡に家族で移動することになり、一家で難を逃れました。
めぐり合わせはたくさんあるものですが、それがどんな意味を持つのかを知るのは、いつもずっと後になってからの、心の平和を取り戻した頃です。
現在静かで平和に見える場所も、その昔に起こった出来事は誰にももう分かりません。
これほどの時が流れているのですから、この世に供養することなしに住める場所など、ほとんど無いと言えるかもしれません。
後になって様々な不運や不都合が生じるとき、もしかすると土地の歴史の中に、拭いきれない悲劇が隠されているのかもしれません。
私達の住む国は神社仏閣があり、お彼岸やお盆など先祖や神仏と接する機会があることは、実は知らぬ間に「私達を救ってくれているなにか」とのご縁に、恵まれているということでしょう。
そう思うとき、朝陽に心を向けて今あることに感謝し、日々を、人を慈しむ心と共に過ごしたいものです。
画像は岩手県宮古市 浄土ヶ浜です。
今日のフィーリングは、中島美嘉さんの「雪の華」、Adele アデルさんの「Sky Fall]、手使海ユトロ氏の「アオザイと白い風」かな